日本画家、中島千波は、父中島清之の疎開先であった小布施で1945年に誕生しました。
日本画家として院展で活躍した父を追うように、東京藝術大学に進学、日本画を学びます。
学生時代は既成の日本画にとらわれない新しい日本画の創造をめざし、ときに反発しながらも制作を行いました。
社会に対する疑問、怒りが後にライフワークとなる「人物画」のシリーズを作り出しました。
その一方で花鳥画も得意とし、桜、牡丹は彼の代名詞といっても過言ではありません。
「本物より本物らしく描く」という花々は、どの作品も生き生きと額の中で咲き誇っています。
伝統を大事にしながら、新聞や雑誌の挿画、表紙絵にも取り組み、天井画の制作や歌舞伎座の緞帳を描くなど、話題は尽きることがありません。