105歳を超えてなお、その作品や発言に、世界のアートファンが注目する現代美術家の旗手、篠田桃紅。43歳で単身渡米し、自由な空気と熱気あふれるニューヨークでの経験から“墨象画”という独自の表現スタイルを確立した。伝統と革新をその身に刻み込んだ不世出の芸術家である。文字を離れ、墨の色や線を追求し、余分なものはすべてそぎ落とし、“一瞬の心のかたち”を追求し続けている。