2022年度の日展で文部科学大臣賞を受賞した長谷川喜久は、名実共に、現在の日展画家の“顔”となった。 長谷川作品を前にすると、私たちはいつかどこかで見た風景、その記憶の根幹に触れるような気持ちになる。 その作品は、岩絵の具の放つ輝く色彩に満ち、新緑の木々、夏の青空、四季折々の自然の輝きをその色に写し、見る側に、その風景の音や匂いまでも運んできてくれるのだ。